回顧録・トワイライトエクスプレス

2017年2月23日、大阪の宮原総合運転所でクルーズ列車「トワイライトエクスプレス瑞風」の車両がお披露目されました。

この宮原総合運転所は新大阪駅のすぐ西方にあります。複々線上にあり、駅での直接の折り返しが出来ない大阪駅始発着の列車の折り返し整備を行う場所です。この場所はかつて走行していた、「トワイライトエクスプレス瑞風」の前身となる「トワイライトエクスプレス」の折り返し整備を行っていた場所でもありました。

「トワイライトエクスプレス瑞風」はまだ走行開始前のため記事が書けませんが、その前身である、「トワイライトエクスプレス」について書こうと思います。

トワイライトエクスプレスとは

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「トワイライトエクスプレス」とは1989(平成元)年から2015(平成27)年3月まで運行されていた寝台特急列車です。1989年7月の運行開始当時は旅行会社のツアー商品の団体列車でしたが、その年の12月より大阪~札幌間の臨時列車として、一般向けに特急券・寝台券が販売されるようになりました。

この列車が鉄道ファンでない方にも有名であった理由としては、

1・日本最長距離・最長走行時間を走行する列車であったこと。

2・日本国内の鉄道車両でもトップクラスの豪華さを誇っていた列車であったこと。また、きっぷの入手困難度も非常に高かったこと

の2点が挙げられると思います。では、順にみていこうと思います。

1・日本最長距離・最長走行時間の列車

「トワイライトエクスプレス」の大阪~札幌間の運行距離・所要時間ですが(時間は廃止直前の時間)、

下り・大阪~札幌 1495.7Kmを約22時間(大阪11時50分発→札幌9時52分着)

上り・札幌~大阪 1508.5Kmを約22時間50分(札幌14時5分発→大阪12時52分着)

で走行していました。これはJR発足以降の日本最長距離・最長の走行時間でした。ちなみに上り・下りで走行距離・所要時間が異なっていたのは、

・函館本線・大沼~森間での走行路線が違っていたこと(下り・本線を通過=距離が短い、上り・砂原支線を通過=距離は長いがこちらの方が勾配が緩い)

・上りに限り、敦賀駅(福井県)で機関車交換があったこと(トワイライトエクスプレスを牽引していた機関車は全て敦賀機関区の所属で、15分ほど機関車交換のために停車していました)

が大きな理由として挙げられます。

ちなみにトワイライトエクスプレスの停車駅は上り下りとも、

大阪・新大阪・京都・敦賀・福井・金沢・高岡・富山・直江津・長岡・新津(以上本州大阪府~新潟県)、

洞爺・東室蘭・登別・苫小牧・南千歳・札幌(以上北海道)のみにしぼられていました。

このうち、新津~洞爺間は約12時間ドア扱いをする停車はせず、駅を通過する時間としてもJR最長でした(実際には、後続列車の退避や行き違い、機関車交換等で新津~洞爺間の間にもドアを開かない停車は何箇所もしていました)。

また、走行時間が長いこともあり、途中で同じ「トワイライトエクスプレス」と2回すれ違う珍しい列車でした(東海道本線・西大路付近と、深夜帯になりますが奥羽本線大久保付近ですれ違っていました)

2・豪華な車内・きっぷのとれない個室

1・の走行距離や所要時間以上に「トワイライトエクスプレス」を鉄道ファン以外の方にも有名たらしめたのは、従来の夜行列車とは一線を画す濃緑の塗装だけでなく、豪華な内装・サービスでした。特に、これから紹介するスイート・ロイヤルに関してはテレビ等のメディアで紹介されることも多く、発売開始直後に売り切れることがほとんどで入手は困難を極めました。私も一度だけ乗車しましたが、6号車のシングルツインがやっとの思いでとれた程です。では順番に簡単に紹介していこうと思います。

1号車・2号車・・・A寝台個室スイート(2人用個室)・ロイヤル(1人用個室)

トワイライトエクスプレスを象徴する最豪華個室で、特に1号車車端部のスイート(1枚目の写真)は最後部の車窓が全て独占できることもあり、一番人気の個室でした(下りの場合・青森~五稜郭以外の区間は全て編成最後部になりました)。発売開始直後に売り切れることが多く、最も寝台券の入手が難しかった2両です。1号車は車端部がスイート1室・ロイヤル(3枚目の写真)が4室、2号車は車両中央にスイート(2枚目の写真)1室、ロイヤルがスイートの両脇に2室ずつでした。ちなみに2号車のスイート・ロイヤルは途中の1990(平成2)年から設置された車両です。ちなみにスイート・ロイヤルの特徴をまとめるとこのような特徴がありました。

1号車スイート・・・車両端部にあり車窓を独占できる。ソファー・液晶テレビ・BGM装置・ツインベッド・冷蔵庫・専用のシャワー・トイレ・洗面台(ひっついたユニットタイプ)・クローゼットが設置。発車後ウェルカムドリンクのサービスあり。車両端部のためゆれがやや大きい。ソファーをベッドに変更し3人での利用も可。朝食のルームサービスあり。

2号車スイート・・・車両中央部にあり窓のうち1枚はサロンカーと同じサイズの大型窓。ソファー・液晶テレビ・BGM装置・ツインベッド・冷蔵庫・専用のシャワー・トイレ・洗面台(それぞれ別々のセパレートタイプ)・クローゼットが設置。発車後ウェルカムドリンクのサービスあり。車両中央部のため1号車スイートよりも揺れが少ない。ソファーをベッドに変更し3人での利用も可。朝食のルームサービスあり。

1・2号車ロイヤル・・・1号車・2号車に4室ずつ設置。電動のソファーベッド・液晶テレビ・BGM装置・専用のシャワー・トイレ・洗面台(ひっついたユニットタイプ)・クローゼットが設置。発車後ウェルカムドリンクのサービスあり。ソファーベッドは追加料金で2人での利用も可。

3号車・・・ダイナープレヤデス(食堂車)

「ダイナープレヤデス」の名称で、トワイライトエクスプレスの食を支えていた車両です。乗車時間が長いこともあり、下り列車ではランチタイム(13~16時・予約不要)・ディナータイム(17時30~21時の二部制・予約必要)・パブタイム(21~23時・予約不要)・モーニングタイム(6~9時の45分刻み・車内で予約)として営業し、上り列車ではティータイム(14時40分~16時・予約不要)・ディナータイム(17時30~21時の二部制・予約必要)・パブタイム(21~23時・予約不要)・モーニングタイム(6時45分~9時の45分刻み・車内で予約)として営業していました。

ディナータイムは写真のフランス料理のフルコースのみ食堂車で食べることができましたが(12300円)、

それぞれの個室・もしくは4号車のサロンカーで食べられる日本海会席御前(6000円)もありました。

また、ランチタイムやパブタイムにはオムライス・トワイライトエクスプレス特製ビーフカレー・ステーキピラフ等の隠れたこの車両の名物もありました。

4号車・・・サロンデュノール(サロンカー)

乗客なら誰もが利用できたパブリックスペースで、天井まで張り出した大窓、映画等の放映をする液晶テレビ、雑誌等のマガジンラック、全て日本海側に設置されたソファー、飲料・おつまみ・菓子の自動販売機、シャワールーム2室(車内で320円のシャワーカード購入時に時間を予約)が設置されており、パブタイムでは食堂車の会計を先に済ませれば食事のデリバリーも可能でした。また、一部の区間では各停車駅の駅スタンプが設置され、専用の台紙に押すことも可能でした。かつては青函トンネル通過中にトンネルに関するクイズも実施していたようです。

5号車・6号車・・・B寝台個室シングルツイン(1~2人用個室)・ツイン(2人用個室)

7号車・・・B寝台個室ツイン(2人用個室)・ミニサロン

トワイライトエクスプレスの標準となる個室で、以下のような違いがあります。

シングルツイン(写真1枚目)・・・線路と平行に設置された個室。2段ベッドとなっており追加料金で2名での利用も可。BGM装置の設置あり。

ツイン(写真2枚目)・・・線路と垂直に設置された個室。2段ベッドとなっている。一部の部屋は隣の部屋とつながっており4名での利用も可。BGM装置の設置あり。

また、7号車にはミニサロンもあり、マガジンラック・飲料の自動販売機が設置されていました。

8号車・9号車・・・Bコンパート

通常のB寝台の一区域(4人分)毎にガラスのドアをつけ、個室上にした寝台です。トワイライトエクスプレスの車内では最も安く利用できる個室で、4人で使う場合は4人用個室としても使用可能でした。4人以下で使用の場合は他の乗客と相部屋になる個室です。部屋に鍵はついておらず、BGM装置は持参のイヤホンが必要でした。

10号車・・・電源車

反対側の端部となる1号スイートとは違い乗客の利用は不可で、車内での暖房・電気等(軽油が燃料だったようです)の供給源となる車両で、シーツ等のリネン類もこの車両に置かれていました。

そして瑞風へ

トワイライトエクスプレスは2015(平成27)年3月13日、翌日の北陸新幹線長野~金沢開業により惜しまれつつも運行を終了しました。一部の車両(1号車スイート・3号車食堂車・牽引していたEF81型機関車)は京都鉄道博物館で観ることが可能ですが、2017年6月17日より、トワイライトエクスプレスの後継車両ともなる、「トワイライトエクスプレス瑞風」が走行を開始します。

これまでのように乗車券で乗るタイプの寝台列車ではなく、クルーズ列車として様々な場所を走るようですが、世界的にも珍しい1両に1室のみの個室、「ザ・スイート(写真2・3枚目)」や様々な個室・設備が列車の旅のまた新たな形を作ってくれると思います。非常に高額な乗車料金・高い競争倍率となるため気軽に楽しむのは難しいかもしれませんが、一生に一度は乗ってみたい車両になりそうです。

これからも鉄道の旅が楽しい旅となることを願い、この記事を終了したいと思います。

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