番外編・台湾の新幹線の乗り方

名阪近鉄特急から、広島・長崎の路面電車、鹿児島の日本最南端の特急列車、沖縄のモノレールと国内の鉄道を徐々に南下してきましたが、今回は番外編として、日本のお隣の国である台湾の新幹線について少し触れておこうと思います。

なお、私の鉄道記事は日本国内の鉄道についてが範囲となる為、次回からは国内の鉄道に戻る予定です。

台湾の新幹線と日本

台湾を走る新幹線は、台湾高速鉄道(略称:台湾高鐵もしくは高鐵)と呼ばれ、台北市の南港駅~高雄市の左営駅まで345Km(日本で言うと東海道新幹線・東京~名古屋間実キロ342.0Kmとほぼ同じ)を最高速度300Km/hで走行する高速鉄道です。2007年に板橋~左営間が開業し、その後板橋~台北が開業、2016年7月には南港~台北間が開業しました。

この高速鉄道が開通するまでは、南港~左営まで在来線最速の特急自強号で約4時間かかっていましたが、開通後は最速列車(途中、台北・板橋・台中のみ停車)で約1時間40分で両都市を結んでいます。

この高速鉄道ですが、日本の車両技術を現地に輸出・現地導入した初めてのケースであり、走行車両である700T型もベースは日本の新幹線の700系車両です。両車両の比較の意味で、こちらに写真を並べてみます。↓

日本の700系が16両であるのに対し、700T型は12両、最高時速が700系では285Km/hに対し700T型は300Km/h、トンネルの形状に合わせ先頭車両の形状が変更される等、現地の実情に合わせた細かな変更がなされています。

また、様々な経緯から分岐器はドイツ製、列車無線はフランス製、車輌などは日本製という様に色々な国の様式の混じった新幹線となりました。開業当初は教育の意味もあり、台湾高速鉄道を運転していたのは全てTGV等の運転経験のあるフランス人のみでした。

台湾高速鉄道の乗り方

大体どこの国でも共通の流れとはなりますが、鉄道に乗車の際はきっぷを購入→改札機に投入→指定された列車・席に乗車→下りる駅で下車→改札機にきっぷを投入→外に出る、という流れになり、今回紹介している台湾高速鉄道もこの流れとなります。では、順を追って紹介していきます。

・きっぷを購入

まずは、きっぷの購入となります。

台湾高速鉄道では普通運賃(普通票/全票)と優待運賃(優待票=敬老割引(敬老票)・小児割引(孩童票)・身障者割引(愛心票)の総称)の2つがあり、優待運賃は普通運賃の半額です。普通運賃を支払った成年旅客に同伴する6歳未満の幼児は無賃となります。旅客ごとに無賃幼児2人まで同行できます。身長115センチ以上の6歳未満の幼児旅客は身分証明書を提示することが必要です。

また、普通車限定とはなりますが、外国人向けに高鉄パス(高鐵周遊券)や、台湾鉄路管理局の路線も合わせて利用できる高鉄・台鉄ジョイントパス(雙鐵周遊券)といったフリーパスもあります。

台湾高速鉄道のきっぷの購入は、窓口・専用の券売機(上の写真)で可能ですが、インターネットでの予約や携帯電話のアプリ(T Express)からの予約も可能です。乗客の多い台北駅等では窓口が混雑しますので、券売機・インターネットや携帯アプリからの予約が良いかと思います。インターネット・携帯アプリであれば日本国内からの予約も可能です。各購入方法とも乗車日の28日前からの購入が可能です。回数券や早期購入割引といった割引のきっぷもあります。支払いには現金の他に、クレジットカード(VISA・MasterCard・JCB等)の利用も可能です。インターネット予約の場合は、乗車前に駅の窓口でのきっぷ受け取りとなります(パスポート番号が必要です)。

https://irs.thsrc.com.tw/IMINT?locale=ja(台湾高速鉄道インターネット予約サービスHP)

台湾高速鉄道の車両のグレードとして、自由座(自由席)・対号座(指定席)・商務(ビジネス)車(グリーン車に相当)の3種類があります。なお、商務車の南港~板橋相互間のみの利用は出来ませんので注意して下さい。

最も遠い南港~左営で商務車が2000台湾ドル(約7300円)、普通車指定席で1530台湾ドル(約5600円)です。最も距離の短い台北~板橋間の普通車(対号座)で40台湾ドル(約146円)となります(距離が7Km位しかなく、地下鉄等も走っておりそちらの方が料金も安いので、高速鉄道を使う意味はほぼありませんが・・・)。自由席だと指定席よりも更に安くなります。1台湾ドル=3.66円で計算しましたが、日本と比較しても全体的に安いです。

なお、日本の様に乗車券+新幹線特急券という料金構成ではなく、どちらも込みでの料金となります。

・改札口に投入→乗車

乗車券を購入後は、改札を通っての乗車となります。基本的には自動改札で、改札機に投入すれば良いのですが、裏向きに入れないと入れませんので注意して下さい(以前は入れる向きまで指定されていましたが、現在は改札機の改良によりどちらから入れても大丈夫なようになったようです)。なお、携帯アプリから予約した場合は、画面に表示されるバーコードを改札機の読み取り部にタッチします。

その後は、駅の発車案内を見て自分の指定された列車に乗車になりますが、自由座(自由席)の場合はその日に発着する列車ならばどれに乗っても構いません。商務車(グリーン車)・対号座(指定席)・自由座(自由席)の種別を間違えないよう注意しましょう。

なお、入口の改札口を通過後、3時間30分以内に出口の改札口を通過しないと不正乗車とみなされますので注意して下さい。

なお、台湾高速鉄道は12両編成が基本となりますが、編成の内訳は以下のようになります。

1~5号車 普通車対号座(指定席)

6号車   商務車(グリーン車)

7~9号車 普通車対号座(指定席)

10~12号車 普通車自由座(自由席)

自由席の車端部に博愛座(優先席)があります。床に車椅子のシールが貼ってあるので、すぐにわかると思います。

なお、時期によっては全車指定席となる列車や、逆に全車自由席となる列車もある様ですので、現地での表示をよくご覧になり乗車下さい。

・乗車

車内は以下の様な様子になります。対号座・商務車の場合は指定された座席への乗車となります。

1枚目の写真が普通車(自由座・対号座)で横2+3列の5列シート、2枚目の写真が商務車で2+2列の4列シートとなります。

商務車には普通車にはない以下のサービスが受けられます。日本のグリーン車のサービスよりも手厚い印象です。

・座席肘掛けに電源コンセント(日本のものと同じ形状、電圧110V)

・ミュージックサービス(持参のイヤホン使用可。無い場合は車内での貸出サービスあり)

・乗務員により軽食とドリンク(コーヒー・紅茶等数種類から選択可能)・おしぼりのサービス

・前の座席後ろにフットレストあり

・個別の読書灯使用可

なお、車内では飲料の自動販売機や車内販売もあります。車内販売のメニューはこちらをご覧ください→http://www.thsrc.com.tw/jp/TShop/TrainShopping(台湾高速鉄道・車内販売メニュー)

・下車

乗車券を改札口に投入し下車しますが、入れたきっぷは帰ってきます(改札機に吸い込まれません)ので忘れずとってください。携帯アプリで入場した方は、改札機の読み取り部に入場した時に使用したバーコードを読み取らせ出場します。

台湾高速鉄道で行ける街の特徴

 

今回は、台湾の新幹線である台湾高速鉄道について触れてきましたが、各停車駅ごとの観光地について触れると膨大な量となる為、主要停車駅周辺の特徴について触れていこうと思います。詳しくは各地域の観光情報等ご覧ください

南港駅・台北駅・・・台湾の首都、台北市内の駅となり、台湾鉄路(在来線)や台北捷運(地下鉄線)との乗り換えが可能です。台北捷運(地下鉄)に乗り換え、市内の様々な観光地へ出かけることができます。

板橋駅・・・・・・・台湾最大の人口の都市、新北市の中心となる駅です。25階建ての立派な駅舎が迎えてくれますが、こちらも隣の台北市と台北捷運(地下鉄線)で繋がっており、乗り換えることができます。台湾鉄路(在来線)との乗り換えも可能です。

桃園駅・・・駅の周りは現在のところ草原ですが、ホテル等の建設予定があるそうです。台湾最大の空港で、アジアのハブ空港のひとつでもある桃園国際空港まで連絡バスで行くことが出来ます(約20分)。桃園市街地からは約7Km離れています。なお、桃園水族館(シーパラダイス)が2020年開業予定です。

新竹駅・・・台湾西北部に位置する町で冬季の季節風が非常に強く、「風城」の異名をとる街です。近年になりIT企業が多く進出し、「台湾のシリコンバレー」とも呼ばれるようになりました。日系企業も多く、日本の岡山市とは姉妹都市です。城隍廟の貢丸湯とビーフンは有名で、遠いところからも訪れる人たちが多く、また、客家人が多い街としても知られ、「北埔」や「新埔」では客家文化に触れることができます。

台中駅・・・台湾高速鉄道の中で、台北駅に次ぐ乗降客数があり、全列車が停車します。台中市も人口271万人の年で、新北市・高雄市に次ぐ人口を有する台湾第3の都市です。年間を通して比較的過ごしやすい気候で、デパートやカフェ、スパなども多くあります。名産品は太陽餅、鳳梨酥、タピオカティー(珍珠奶茶)、泡沫紅茶等です。美術館や博物館、夜市や一中街など、食に買い物、観光にもこと欠かない街です。

彰化駅・・・観光資源が豊富で多様です。八卦山は、登山、ハイキング等に向いています。その他、鷹鑑賞、森林浴などもできます。田尾道路花園では花畑遊び、渓湖では砂糖工場五分トロッコに乗ることでき、鹿港は工芸職人がよく訪れる場所です。特に鹿港は九份と似た街並みで、一度訪れ虜になる観光客が続出しています。また、線路沿いには夜光高鐡庭園(Moonlight Rail Restaurant)というカフェや、銀河鐡道餐廳(Railway to Galaxy/銀河の鉄道)というレストランもあり、有名な列車撮影のスポットとなっています。後者については以下にリンクを貼っておきますので良かったら参照して下さい。上の写真は夜光高鐡庭園(Moonlight Rail Restaurant)で撮られた写真です。

銀河鐡道餐廳(Railway to Galaxy/銀河の鉄道)HP・http://www.railway2galaxy.com.tw/tw/index.php

台南駅・・・台湾で最も古くから開けた街で、古い呼び名は「台湾」でした。「台湾」とはかつてこのあたりを指した名でしたが、やがて台湾全体を指す名となりました。オランダ人が本拠地を置いたことや、清王朝時代初期もこの地を台湾の首府としましたが、日本統治時代に台北に台湾の中心は移りました。旧跡が多く、現代的な都市景観と共存していることから、「台湾の京都」と呼ばれることもある街です。結婚写真撮影の専門店が多く、台北と比べ台湾語が標準的に使用されており、台南の方言が台湾語の標準とされているようです。新北市・高雄市・台中市・台北市・桃園市に次ぐ台湾第6位の人口を有する都市です。

左営駅・・・台湾で新北市に次ぐ第2位の人口を有する高雄市の駅で、高雄駅まで延伸の予定もありますが、現在のところの台湾高速鉄道の終点の駅です。高雄市中心部とは捷運(地下鉄)で結ばれています。高雄国際空港は桃園国際空港に次ぐ台湾第2の国際空港で、日本(東京・大阪・福岡・北海道等)とも定期便が就航しています。台湾最大の貿易港である高雄港を有し、古くから重工業を中心に栄えてきました。

まとめ

今回は日本を離れ、海外の台湾の新幹線・台湾高速鉄道について触れました。日本ベースの車両が使われており、車内の雰囲気も日本と似ている部分は多いかと思います。

市街地中心から離れた場所にある駅は多いものの、台湾高速鉄道は台湾の主要都市を結んでおり多くの観光地への訪問に使うことができます。

日本から近い隣国台湾。訪れた際には是非台湾高速鉄道も利用してみて下さい。

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