短いけど風光明媚な太多線

国内の鉄道を紹介する私のHPでありながら、前回は日本を飛び出し台湾まで行ってしまったので、今回は私の地元の鉄道に戻って記事を書いていこうと思います。

今回は短距離の路線ではありますが、風光明媚な太多線について取り上げていこうと思います。

太多線とは?

太多線の名称は、この路線の両端の駅である「美濃太田駅」と「多治見駅」の名前からそれぞれ一文字ずつとってついています。全線単線の路線で、延長17.8Km(営業キロ)と比較的短い路線です。

ちなみに、太多線の起点の駅は路線名とは逆で、JR中央線多治見駅となり、終点はJR高山本線美濃太田駅となります。多治見駅へは名古屋駅から30~40分程度で到達でき、美濃太田駅へは、名古屋駅から高山本線の特急ひだで50分前後で到達できます。

多治見駅から順に、小泉駅・根本駅・姫駅・下切駅・可児駅・美濃川合駅とあり、終点美濃太田駅に着きますが、両端の多治見・美濃太田両駅を除外して分けると、

列車の交換(行き違い)が可能な駅・・・小泉駅・姫駅・可児駅

列車の交換が(行き違い)が不可能な駅・・・根本駅・下切駅・美濃川合駅

となります。つまり多治見からの場合は、交換可能駅→交換不能駅→交換可能駅→交換不能駅・・・と交互に続き、美濃太田駅からの場合でも交換不能駅(美濃川合駅)から交換可能駅→交換不能駅→交換可能駅・・・と続きます。

日中のダイヤは基本的に30分に1本程度の運転で、小泉駅・可児駅で上下列車の行き違いを行います。朝夕ラッシュ時は、これに姫駅が加わりそれぞれの駅で上下列車の交換が行われます。朝夕ラッシュ時には1時間に3~4本程度の比較的高い密度で運転されます。

かつては、朝夕に一本ずつ美濃太田⇔多治見駅⇔名古屋駅直通の「ホームライナー太多」が特急ひだの車両(キハ85系)を使用し運転されていましたが、現在は廃止されたため、上り列車はすべての列車が多治見行きとなっています。逆の下り線は美濃太田行きとなるものもあれば、美濃太田駅から高山本線・岐阜駅まで直通の列車も多く存在します。かつては多治見発下呂行という普通列車や、線内運転の快速列車(小泉・根本・可児のみ停車もありましたが、現在は全て各駅停車のみの運行です。多治見~美濃太田までの所要時間は行き違いの時間にもよりますが、概ね30分前後となっています。

使用車両は以下の2つが使用されています。日中は2両、朝夕ラッシュ時等は3~4両で運行されています。

・キハ75系

2016年より、キハ11系・40系に変わり太多線の運用にも入るようになりました。この車両は名古屋から伊勢鉄道経由で伊勢神宮へ向かう快速「みえ」や武豊線にも運用されています。もう廃止されましたが、かつては名古屋から奈良を結ぶ急行「かすが」にも使用されていました。車内は転換クロスシートとなっています。

・キハ25系

キハ75系同様、2016年よりキハ11系・40系に変わり2016年より太多線の運用に入っています。外観・内装とも同じJR東海の313系に酷似していますが、気動車です。この列車も武豊線や高山線の運用にも入っいますが、製造された時期の違いにより、車内はロングシートの車両もあれば転換クロスシートの車両もあるようです。

太多線の歴史

太多線はもともと最初から現在のように、多治見~美濃太田まで全線が開通していたわけではなく、もともとは線路の幅が762mm(ナローゲージ)の軽便鉄道を1918年から運行していた東濃鉄道(太多線沿線で路線バスを走らせている現在の東濃鉄道とは別会社)の新多治見(現在の多治見駅)~広見(現在の可児駅)までの区間を国有化したものです。その後可児から美濃太田までは新たに開業しています。新多治見から美濃太田まで全通したのは1928(昭和3)年です。

その昭和3年には線路の幅が762mmから1067mmに変更する、昭和9年からは気動車の運行を開始する、昭和5年には距離がマイルからメートル表記に変更になる、昭和57年広見駅が可児駅に改称される、昭和62年国鉄からJR東海の営業に移行、平成2年には多治見~岐阜駅の直通運転・ホームライナー太多(名古屋~美濃太田・太多線経由)の運行を開始、平成22年にはTOICAの導入が開始される、平成24年にはホームライナー太多の運行が廃止、平成27年には運用車両が現在のキハ75系・キハ25系の運用に変更になる等の歴史を経てきました。

写真の可児駅には、かつて太多線で使用されていた腕木式信号機(日本最古の腕木式信号機だったようです)が展示されていましたが、駅前の再開発に伴い2014(平成26)年に撤去されました。現在は博物館明治村(愛知県犬山市)で観ることが出来るようです。

太多線周辺の観光名所

風光明媚な、と最初に書きましたが太多線沿線には桜や紅葉を楽しめる名所、ダムのすぐふもとを通る橋、様々な花が咲き乱れる公園等ありますので、すべての場所ではありませんが、この場を借りて一部を紹介していこうと思います。

・虎渓山永保寺

臨済宗南禅寺派の寺院で、1300年頃出来た寺院です。境内には観音堂と開山堂という2つの国宝があり、普段は外から見学することしか出来ませんが、春・秋の一般開放の日には中の見学が可能です。写真に写っている橋(無際橋)等は国の名勝にも指定されています。2003(平成15)年9月、本堂が火災等で焼失しましたが、現在は再建されています。また、永保寺内は秋には紅葉の名所としても知られています。また、永保寺から徒歩10分程度で行ける虎渓公園は、春には桜の名所としても有名です。

アクセス・・・多治見駅北口バス停より東濃鉄道バス小名田線・虎渓山下車、徒歩10分

虎渓山永保寺HP・・・http://www.kokei.or.jp/

・多治見修道院

カトリック真言修道会の修道院で日本人司祭や修道士の育成のため、ドイツ人のモール神父の手によって建立されました。木造地上3階・地下1階建てのバロック建築の修道院で、日本三大修道院(残り2つは北海道の聖ベネディクト女子修道会札幌修道院と、長崎のフランシスコ会長崎修道院)の一つです。普段より修道院内部の見学ができ、隣接するブドウ畑ではブドウの栽培も行われており、修道院の地下ではワインの製造も行われており、修道院併設の売店でガレットやクッキーとともに購入することもできます。11月頃にはワインフェスタも行われており、試飲することもできます。

アクセス・・・多治見駅前バス停よりききょうバスおりべルート(土・日・祝日のみ運行)・修道院下車すぐ。

または、多治見駅より徒歩30分。

多治見修道院HP・・・http://svdtajimi.com/

・花フェスタ記念公園

岐阜県可児市にある、県営の都市公園(広域公園)です。世界最大級の約7000種・3万株のバラが植えられている公園です。世界的に見てもバラの展示が多い公園で、珍しい青色のバラ、日本やイギリスの皇族の名前のついたバラ等が多く展示されています。5月頃のバラの最盛期には多くの観光客が訪れ混雑します。イベントの広場もあり、大道芸やコンサート等のイベントも行われます。

アクセス・・・可児駅より東濃鉄道バスまたはさつきバス・花フェスタ記念公園下車すぐ。

または時期によっては、名古屋駅に隣接する名鉄バスセンターより直通の高速バスあり。

花フェスタ記念公園HP・・・http://svdtajimi.com/

・関西電力今渡ダム

厳密に言えば観光地ではありませんが、可児~美濃川合間で木曽川を渡る時、このダムのすぐ上流を通過します。川を渡った写真左手すぐが美濃川合駅となります。高さは34.3mの重力式コンクリートダムで、今渡発電所と美濃川合発電所を併設しています。木曽川の水量調整の役割も果たしよく放流しており、その姿は一見の価値ありです。ここから愛知県犬山市にかけての木曽川はドイツのライン川と景色が似ていることから「日本ライン」とも呼ばれ、川下りでも有名です。

アクセス・・・美濃川合駅下車徒歩10分

関西電力今渡ダムHP・・・http://damnet.or.jp/cgi-bin/binranA/All.cgi?db4=1067

さいごに

今回紹介した太多線は、全長が約18キロ弱と非常に短い路線ですが、様々な名所があり見甲斐のある場所も多いです。JR東海の土日祝日のフリー乗車券「青空フリーパス」での利用も可能な路線ですので、桜の時期や紅葉の時期には是非足を延ばしてみて下さい。

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