京都から大阪、4つの鉄道

関西の様々な都市のうち特に歴史が深く、人口も多い京都と大阪。今回はこの2都市間を結ぶ鉄道について書いていきます。

京都から大阪の鉄道の概要

京都市が人口約150万人、大阪市が人口約270万人を有しどちらの都市も観光地も多く、両都市間にも高槻市・茨木市・吹田市・枚方市等人口が25~40万人の規模の都市がいくつもあります。このため、古くから人の流動が多く、通勤・通学での日常の利用だけでなく、両都市への観光のための鉄道利用が非常に多い場所です。

自動車であれば京都・大阪両都市間には名神高速道路・第二京阪道路・国道1号(京阪国道)・国道171号等ありますが、鉄道でもJR東海道線(JR京都線)・東海道新幹線・阪急電鉄京都線・京阪電鉄本線が結んでいます。これらの鉄道は古くから激しいシェア争いを繰り広げており、関西地方が「私鉄王国」と言われるゆえんとなった場所です。ここではそれぞれの鉄道の特徴・その路線を利用すると便利な場合等紹介していこうと思います。

京都から大阪のそれぞれの鉄道路線

ここからはそれぞれの鉄道の路線と簡単な特徴について紹介していきます。ご参考にしていただければ幸いです。なお、所要時間・料金は駅で通常購入した場合です。

東海道新幹線

両都市間を結ぶ鉄道の中では最速の交通手段です。京都・新大阪に駅があり、どちらにも全ての列車が停車します。大阪の中心地・大阪駅までの利用には新大阪駅での乗り換えが必要となります。日中は1時間に10~14本程度の列車が往復しており、時刻表無しでも乗車できるくらい便利です。京都~新大阪間には駅はありません。途中で阪急電鉄京都線と併走する箇所もあります。特急料金がかかるので、他の路線よりも料金は高額となります。

・所要時間 13~15分(京都~新大阪間)

・料金   1420円(乗車券560円+自由席特急券860円)

東海道本線(JR京都線)

JR西日本により運行されています。正式な名称は東海道本線ですが、京都・大阪近辺では「JR京都線」の愛称で案内されています。上下とも線路が2本ずつある複々線で運転されており、上下線とも内側線が普通・快速(土休日、平日日中以降)、外側線を快速(平日日中まで)、新快速、特急、貨物列車が使用しています。京都~向日町・茨木~新大阪間はこれとは別に貨物線もあり、関空特急「はるか」が使用しています。快速列車については、平日朝ラッシュ時に京都~大阪間で快速運転を行う列車がありますが、ほとんどの列車は京都~高槻間各駅停車で普通列車の代わりを果たし、高槻から大阪は快速運転となります。高槻からはJR宝塚線直通の普通列車が1時間に4本程度追加されます。線路の形も全線を通して極めてよく、外側線の列車は最高時速130Kmの運転を行っています。新幹線を除けば、新快速が京都~大阪間の最速の移動手段となります。

・所要時間 28分(京都~大阪間・新快速)

途中停車駅・・・高槻・新大阪

約35分(京都~大阪間・快速(京都~大阪間快速運転列車))

途中停車駅・・・長岡京・高槻・茨木・新大阪

約41分(京都~大阪間・快速(京都~高槻間各駅停車・高槻~大阪間快速運転列車))

途中停車駅・・・京都~高槻間の各駅・茨木・新大阪

約45分(京都~大阪間・普通)

途中停車駅・・・各駅停車

・料金・・・560円(京都~大阪)

阪急電鉄京都線

阪急電鉄により運行されています。大阪側のターミナルは、JR大阪駅北東に位置する阪急梅田駅です(JR大阪駅から徒歩5~10分)。京都側のターミナルは京都の中心地・四条河原町の地下に位置する河原町駅となります。途中の桂からは嵐山方面へ行く嵐山線が分岐しています。途中の水無瀬~上牧間は上の写真の様に東海道新幹線が併走しています(東海道新幹線開業前、阪急電鉄の車両が東海道新幹線を走行していた時期もありました)。JR東海道本線(JR京都線)とも近い位置を走っている箇所が多く、駅も近い位置にある場所が多いです(最も近いのはJR山崎駅と阪急大山崎駅の250m)。

かつては国鉄(現在のJR)と激しくシェア争いをしていた時期もありましたが、現在は特急も京都~大阪間の都市にこまめに停車し、地域に密着した輸送にシフトしています。また、桜や紅葉のシーズンには阪急三宮や梅田から嵐山方面への直通列車や、土日祝日には大阪市内(淡路)~京都市内(桂)までノンストップの快速特急も運行されます。快速特急・通勤特急・特急・快速特急・準急・普通と列車の種別が多いため、本数の多い特急と準急で掲載します。

・所要時間 41~44分(河原町~梅田(大阪)間・特急)

途中停車駅・・・烏丸・桂・長岡天神・高槻市・茨木市・淡路・十三

・所要時間 60~65分(河原町~梅田(大阪)間・準急)

途中停車駅・・・河原町~高槻市間の各駅・茨木市・南茨木・上新庄・淡路・南方・十三

料金・・・400円(河原町~梅田(大阪))

京阪電鉄京阪本線

京阪電鉄により運行されています。京阪本線は三条~淀屋橋間ですが、三条~出町柳までの鴨東線と線路が繋がっており、一体となった運転がなされています。また天満橋から中之島方面にも路線があり、大阪国際会議場(グランキューブ)・リーガロイヤルホテル等のある中之島へのアクセスも出来ます。これまで紹介した路線は全て淀川より北を通りますが、京阪本線は淀川より南側を通り、枚方市・八幡市等これらの路線の沿線の利用には便利です。また、京都市内でも鴨川より東側を通る為、祇園や伏見稲荷大社等のアクセスにも便利です。大阪側のターミナルは大阪(梅田)より一駅の淀屋橋で地下鉄御堂筋線と接しており、大阪市役所も橋を渡るとすぐの位置です。JRとは途中の京橋(大阪環状線・JR東西線)と東福寺(奈良線)で接続しています。

京都~大阪間で見た場合、JR・阪急電鉄と比較して大回りなルートをとっており(10Km程度長くなります)、その分所要時間もかかることから、快適性を重視した車両が早くから導入されている路線でもあります。特に特急車両に顕著にその様子は見られ、テレビを搭載したテレビカー、乗車券のみで利用できる2階建てのダブルデッカーの車両等が運行しています(テレビカーは現在は終了しています)。また、2017年8月20日からは、京阪電鉄初の有料の指定席車の「プレミアムカ―」の運行が開始されています。かつて特急はすべて七条(京都市)~京橋(大阪市)間をノンストップで走行していましたが、現在は枚方市・中書島・丹波橋等沿線の主要駅に停車しています。現在も土日を中心に七条(京都市)~京橋(大阪市)間をノンストップで走行する快速特急「洛楽」も数本程度運行されています。京都側からは日中特急と準急のみの10分間隔での運転ですが、途中の枚方市で中之島行きの普通が追加され、萱島(かやしま)から天満橋は複々線となります。

・所要時間 51分(三条~淀屋橋・特急)

途中停車駅・・・三条・祇園四条・七条・丹波橋・中書島・樟葉・枚方市・京橋・天満橋・北浜

・所要時間 85分(三条~淀屋橋・準急)

途中停車駅・・・萱島までの各駅・守口市・京橋・天満橋・北浜

各路線の比較

次に、各路線を料金面・時間面から比較してみようと思います。

なるべく条件を揃えるため、大阪側のターミナルは新幹線は新大阪、JRは大阪、阪急電鉄は阪急梅田、京阪電鉄は淀屋橋を基準とします。京都側のターミナルはそれぞれで離れているため、新幹線・JRは京都、阪急は河原町(四条河原町地下)、京阪電鉄は祇園四条(阪急河原町駅とは徒歩5~10分)で比較しようと思います。まずは所要時間で比較します。なお、日常的に利用することを前提にするため、JR東海道線(JR京都線)は新快速、阪急電鉄・京阪電鉄は特急を利用した場合で比較します。

所要時間の比較

1・東海道新幹線 京都~新大阪・・・13~15分

2・JR東海道本線(JR京都線)・新快速 京都~大阪・・・28分

3・JR東海道本線(JR京都線)・快速(京都~大阪間快速の列車)・・・35分

4・阪急電鉄京都本線・特急・・・41~44分

JR東海道本線(JR京都線)・快速(高槻~大阪間快速の列車)

料金の比較(乗車券通常購入の場合)

1・400円(阪急電鉄京都線・河原町~梅田)

2・410円(京阪電鉄本線・祇園四条~淀屋橋)

3・560円(JR東海道本線(JR京都線)・京都~大阪)

4・1420円(JR東海道新幹線(自由席)・京都~新大阪)

このように、所要時間ではJRが有利であり、料金面では阪急電鉄・京阪電鉄等私鉄が有利になります。交通系ICカード(ICOCA・Pitapa・Suica・TOICA等)での乗車も可能です(後述しますが、京都や大阪のある関西地方では交通系ICカードの普及率が東京や名古屋等の年に比べ低いです)。

金券ショップが切符売り場でもある関西地方

また、上に書いた値段は通常購入した場合の乗車券価格ですが、大阪・京都とも金券ショップが発達しており(金券ショップ発祥の地は大阪です)、店舗数も非常に多いです。JR・阪急・京阪電鉄とも主要駅の近くにはほぼ金券ショップがあり、各社の乗車券も安く売っています。京都・大阪間の鉄道はもともとシェア争いが激しく、JR・阪急電鉄では通常の回数券だけでなく平日昼間・土日祝日に使える昼間特割きっぷも販売されています。昼間特割きっぷは使用時間の制約はありますが、割引率が非常に大きいです。店によって数十円程度の値段の差はありますが、販売価格はほぼ同じです。

ちなみに、阪急電鉄の場合だと河原町~梅田までが通常400円のところ310~350円程度で販売されており、JRの場合でも京都~大阪までが通常560円のところ、370~480円程度で販売されているようです。京阪電鉄の場合も同様に、数十円~数百円程度安くなる乗車券が販売されています。このように安い乗車券が広く一般に認知されているため、駅で購入するのではなく金券ショップで乗車券を購入する人が関西地方では多く、このことにより割引の無い交通系ICカードでの乗車率が首都圏と比較しても低い理由ともなっています。

どの路線が便利なのか?

ここまで、京都~大阪までの鉄道についての鉄道について紹介しましたが、多くの路線があり、どれを利用してよいのか迷う場合もあると思います。参考になればと思いますが、京都・大阪とも観光地や路線が多く、どの路線で行くと最も便利なのか記載しておきます。ここに無い観光地もありますが、ご参考になれば幸いです。()内の駅が最も近い駅となります。接続する路線に関しては多いため、主要路線のみ記載します。

東海道新幹線を利用すると便利な場合・路線・・・急ぐ時、東京~鹿児島中央間の沿線へ行く場合、関西空港方面(新大阪)、北陸方面(新大阪・京都)

JR東海道線(JR京都線)を利用すると便利な場所・路線・・・大阪ステーションシティ・グランフロント大阪(大阪)、JR大阪環状線(JRゆめ咲線含む・大阪)、福知山線(JR宝塚線・大阪)、阪和線・関西空港・奈良方面・JR山陽本線(明石・姫路方面・大阪)、JR山陰本線(嵯峨野線・京都)、琵琶湖北岸(湖西線)方面(敦賀・福井・金沢方面・京都)、米原方面(JR東海道本線(琵琶湖線)・京都)、サントリー山崎蒸留所(山崎)、京都水族館・京都鉄道博物館(京都)

阪急電鉄を利用すると便利な場所・路線・・・阪急電鉄宝塚線・阪急電鉄神戸線(以上梅田・十三)、千里ニュータウン方面(阪急電鉄千里線・淡路)、長岡天満宮(長岡天神)、阪急電鉄正雀工場(正雀)、サントリー京都工場・高速バス西山天王山バスストップ(西山天王山)、西京極競技場(西京極)、阪急嵐山線(桂)、四条河原町・新京極通・寺町通・京阪電鉄祇園四条駅(河原町)

京阪電鉄を利用すると便利な場所・路線・・・大阪市役所・大阪市公会堂(以上淀屋橋)、グランキューブ大阪・リーガロイヤルホテル(以上中之島)、大阪フェスティバルホール(渡辺橋)、大阪証券取引所(北浜)・JR大阪環状線・JR東西線(以上京橋)、ひらかたパーク(枚方公園)、男山山上・石清水八幡宮(八幡市)、京都競馬場(淀)、京阪電鉄宇治線(中書島)、近鉄京都線(丹波橋)、高速バス京都深草バスストップ(藤森)、伏見稲荷大社(伏見稲荷)、東福寺(鳥羽街道・東福寺)、JR奈良線(東福寺)、国宝三十三間堂・ハイアットリージェンシー京都(七条)、五条大橋・清水寺(清水五条)、祇園・四条河原町・八坂神社・阪急電鉄河原町駅(祇園四条)、三条大橋・先斗町・京都市営地下鉄東西線・京阪電鉄浜大津方面(三条)、平安神宮・京都御所(神宮丸太町)、下鴨神社・鞍馬・貴船・大原方面(出町柳)

さいごに

 

左は現在の京都駅、右は現在の大阪駅になります。これらの駅はJRの駅であり、今回紹介した阪急電鉄・京阪電鉄では通りませんが、京都・大阪間の移動には豊富な方法があります。それぞれの路線ごとに特徴がり、途中通過する場所も違いますので、少し長い記事でしたが初めてこれらの鉄道を利用される方等、今回の情報を役にいただければ幸いです。

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