日本最南端の特急列車・指宿のたまて箱

沖縄県那覇市の那覇都市モノレールを入れると日本最南端の鉄道はそちらになりますが、那覇都市モノレールが開業する前から、そして今でもJR最南端の鉄路・指宿枕崎線を走るイベント列車「指宿のたまて箱」を今回は紹介しようと思います。

指宿枕崎線と指宿のたまて箱

まず、指宿枕崎線の紹介を簡単にしておこうと思います。

指宿枕崎線は鹿児島県の鹿児島中央駅と枕崎駅を結ぶ、全長87.8Kmの路線です。昭和5年に西鹿児島(現在の鹿児島中央)~五位野までの開業を皮切りに、昭和38年10月に枕崎まで全線開通しました。

開業当初から鉄道としては日本最南端を走る路線で、途中の駅にJR日本最南端の西大山駅、浦島太郎の伝説で有名な長崎鼻、途中の指宿市の砂蒸し温泉、ネス湖のネッシーにちなみイッシーで有名となった池田湖や、「薩摩富士」とも呼ばれる開聞岳等観光名所も多くあります。

全線単線の路線ではあるものの、鹿児島中央からしばらく(概ね五位野位まで)は鹿児島市内を通り、通勤・通学での利用も非常に旺盛で列車本数も1時間に2~4本と多い一方、先へ行くにつれて列車の本数も減り、最奥部の西頴娃(にしえい)~枕崎間は1日に6~8本、となり、5時間位列車の無い時間帯もあります。指宿枕崎線のほぼ中間にあたる指宿・山川で列車の本数が大きく減ります。

また、運転時間帯も九州新幹線が開業する前から上下とも始発が朝4時台と早く、日付をまたぎ24時過ぎまで運行されており、運行の時間帯が広いのも大きな特徴です。

今回紹介する列車、特急「指宿のたまて箱」は指宿枕崎線のうち、鹿児島中央~指宿を走る列車となります。「特急」となっており、同線を走る普通列車よりは早いですが、鹿児島中央~指宿間45.7Kmを50分前後かけてゆっくりと走る観光の側面が強い特急列車です。ちなみに列車名の「たまて箱」は沿線の観光名所「長崎鼻」に伝わる浦島太郎伝説の「玉手箱」にちなんでおり、略して、「いぶたま」の愛称でも親しまれています。日本最南端を走行する特急列車です。

指宿のたまて箱の車内と予約方法

特急、「指宿のたまて箱」は鹿児島中央~指宿間を1日2往復しており、全車指定席の特急列車となります。乗車前に乗車券+特急券の購入が必要です。車内で座席の指定はできませんので注意して下さい。各号とも九州新幹線の接続が考慮されたダイヤが組まれています。

車両は上の写真の、白と黒のツートンカラーのキハ47系の改造車が2~3両で使用されます。車両検査時は違う車両が運用に入ることもあります。

外見だけでもかなり特徴的ですが、内装も見ていきましょう。

上の写真で御覧のように、客船やヨット等に使用されるチーク材を使用した内装になっており、ロングシートとなる部分とクロスシートとなる部分があります。また一人掛けの座席もあります。ロングシート・一人掛け座席はすべて海側を向いています。小さいですが、子ども用のスペースもあります。

では、さらに細かく見ていきましょう。

・一人掛け座席

予約の際、一人で予約をするとこの座席になることが多いようです。座席はすべて海側を向いており、道中の鹿児島湾等をじっくり見ることができます。また、椅子は回転椅子となっています。

・クロスシート

この車両の中で一番座席数の多い、標準となる座席です。一部の座席にはなりますが、横が戸袋となるため、眺望の悪い座席があります。

・ソファー席

横に本棚がある座席となります。本棚の中には指宿に関する様々な本が置かれています。

・車椅子コーナー

車いすに座ったまま利用でき、海を眺めることができます。

・キッズスペース

画面右側に子どもの高さに合わせた椅子が3脚とベビーベッドがあります。向かいに大人も座れるソファーがありますが、ここは指定席ではなく、乗客なら誰でも使えるフリースペースとなっています。

2~3両編成ではあるものの、このように多様な座席のバリエーションのある車両となっています。

また、駅到着時には、

浦島太郎の玉手箱を意識してか、扉上部の吹き出し口からミストが出る仕組みになっています。

次に予約方法についてですが、乗車日の一か月前(10月31日等前月に同じ日が無い場合は、乗車月の1日(10月31日乗車の場合は10月1日))の午前10時より、駅のみどりの窓口、JR券を取り扱っている旅行会社等で販売開始となります。

また、自宅からでも予約できる方法で、JR九州のネット予約があります。九州内に住んでいなくても、会員登録(登録費無料)することにより、指宿のたまて箱だけでなく、九州新幹線や他の九州内の特急列車等予約でき便利です。詳細はこちらのリンクをご参照くださいhttp://train.yoyaku.jrkyushu.co.jp/jr/pc/consumer/TopInitAction.do?_ga=1.208943706.915397234.1486820342

こちらも発売日は駅のみどりの窓口等と同様の扱いとなります

指宿のたまて箱で行ける主な観光名所

ここでは、指宿のたまて箱を利用して行ける主な観光地について紹介しようと思います。

・西大山駅

厳密に言えば指宿枕崎線上の駅なので観光地ではないのですが、JR日本最南端の駅(JR以外も含めた場合は沖縄都市モノレール・赤嶺駅)として観光目的で訪れる方が多いので観光地のひとつとして紹介します。北緯31度11分に位置し、天気の良い日には開聞岳が非常にきれいに見える駅です。指宿のたまて箱の終点である指宿駅から3駅目ですが、列車の本数が少ないので訪問の際には注意して下さい。なお、無人駅であるため記念入場券は指宿・山川両駅で販売されています。駅を訪問した際に記入できる駅ノートが設置されており、過去のものは指宿駅で保管されているようです。

・長崎鼻・竜宮神社

全国の岬で「~鼻」と名前の付く場所は多いですが、その中でも最も有名なのがこの長崎鼻となります。古くから観光開発がされており、長崎鼻周辺には数多くのお土産屋が並びます。また、観光施設の「長崎鼻パーキングガーデン」もあります。浦島太郎伝説にちなんだ竜宮神社も長崎鼻のすぐ近くにあります。

指宿駅から鹿児島交通開聞行き乗車、長崎鼻下車。

長崎鼻パーキングガーデンHP→http://nagasakibana.com/map/

・池田湖

九州最大の湖であり、約5500年前の火山の噴火によりできたカルデラ湖と言われています。1961(昭和36)年頃より、巨大水棲生物が存在していると噂され、イギリスのネス湖のネッシーになぞらえ、「イッシー」と呼ばれました。1978(昭和53)年9月3日に住民20名によりイッシーの目撃情報が報道され全国的に有名となりましたが、この湖に生息する全長2mほどのオオウナギであるとする説や、当時この湖に放流されたハクレンが巨大化した等諸説ありますが、現在も正体は謎のままです。

指宿駅から車で20分。指宿駅より鹿児島交通バスで約1時間。

・指宿温泉

指宿枕崎線途中最大の都市である指宿市は、かつては「東洋のハワイ」と呼ばれるほど温泉地として有名な場所です。指宿市自体が1m掘ればどこを掘ってもお湯が出ると言われる位湯量が豊富な場所で、指宿温泉の中でも摺ヶ浜温泉は砂蒸し温泉として有名です(上写真)。砂蒸し温泉にちなんだ会館もあります。海岸で顔以外の場所を全て砂で埋めてその熱さで温まるものですが、サウナとは違う一度は是非試してみたい場所として、毎年多くの観光客が訪れます。指宿温泉とは、この摺ヶ浜温泉だけでなく同じ市内の弥次ヶ湯温泉、二月田温泉などを含めた総称です。

砂むし会館「砂楽」HP→http://sa-raku.sakura.ne.jp/

指宿駅よりのったりおりたりバス・鹿児島交通バス利用、10分程度。

さいごに

かつては、宮崎同様新婚旅行の目的地としても有名であった、鹿児島や指宿。そこを走る日本最南端の特急「指宿のたまて箱」は浦島太郎伝説にちなんだ遊び心満載の楽しい車内となっており、指宿から行ける観光名所も多いです。写真2枚目の指宿枕崎線の終点・枕崎駅もJR日本最南端の終着駅となります。

観光にかけられる時間によって、行ける場所は違ってくるかと思いますが、「指宿のたまて箱」を利用して是非鹿児島観光に出かけてみてください。

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