回顧録・カシオペア

2017年5月1日より、JR東日本で豪華クルーズトレイン「TRAIN SUITE四季島」が運行を開始しました。テレビのニュース等でも周知のとおり、非常に豪華な内装や料理等が売りで、乗車料金も非常に高額です。高額な料金にも関わらず申し込みが殺到しており、すぐに乗車というのは難しい状態です。この記事を書いている私も乗車の予定は無く、また乗車がいつになるかもわかりません。

そこで今回は「四季島」が出来る前に上野~札幌まで走行していた豪華列車、「カシオペア」について紹介していこうと思います。

カシオペアとは

「カシオペア」とは、1999(平成11)年7月より上野駅~札幌駅間で運行を開始し、2016年(平成28)年3月に一般運行を終了した列車です。

1988(昭和63)年3月に青函トンネルが開業してから、同区間では寝台特急「北斗星」が運行され、高い支持を得ていましたが、更なる高水準のサービスを提供する列車として運行されました。

この頃、豪華な寝台特急としては、「北斗星」「トワイライトエクスプレス」がありましたが、これらは一人用と二~四人用のA寝台個室・B寝台個室・B寝台(Bコンパート含む)とA寝台・B寝台とも設置されていましたが、この「カシオペア」では全ての部屋がA寝台の二人用個室(カシオペアスイート・カシオペアデラックス・カシオペアツイン)となりました。また全ての車両が2階建であり、他の車両であったような車内で使う電力等の発電を行う電源車は、12号車のラウンジカーの1階部分に設置されました。

北陸新幹線・北海道新幹線の開業に伴い、本州~北海道方面の「トワイライトエクスプレス」や「北斗星」、「はまなす」等の夜行列車が次々と廃止される中、最後まで残った列車で、機関車牽引の寝台列車としても最後の列車となりました。現在夜行の寝台列車は285系電車で運行される「サンライズ瀬戸(東京~高松)・サンライズ出雲(東京~出雲市)」が残るのみです。

トワイライトエクスプレス・サンライズ瀬戸・出雲については過去に記事を作っていますので、良かったら御参照下さい、クリックすると開きます↓。

回顧録・トワイライトエクスプレス

オンリー1の寝台列車に乗ろう!サンライズ瀬戸・出雲!

ここからは、2016(平成28)年3月の廃止時点での「カシオペア」の状況について記載していきます。

カシオペアの運行概況

カシオペアは、JR東日本のE26系客車による運行で、E26系客車が1編成しかないため毎日両方向からの運行は出来ず、運行開始時から臨時列車の扱いでした。具体的には、

上野発・・・日・火・金曜日

札幌発・・・月・水・土曜日

木曜日は点検のため運行されませんでした。ただし、年末年始や春休み期間中は曜日に関わらず毎日運行されていました。また、毎年10月下旬~12月上旬は車両の整備・点検の為長期運休となっていました。

「カシオペア」の運転時刻ですが、

上野 16:20発 → 札幌 11:15着

札幌 16:12発 → 上野 9:25着 でした。

次に途中の停車駅についてですが、

本州側・・・上野駅・大宮駅・宇都宮駅・郡山駅・福島駅・仙台駅・一ノ関駅(下りのみ)・盛岡駅(下りのみ)

北海道側・・・函館駅・森駅・八雲駅・長万部駅・洞爺駅・伊達紋別駅・東室蘭駅・登別駅・苫小牧駅・南千歳駅・札幌駅

となっていました。北海道側の停車駅は「トワイライトエクスプレス」よりも多目でした。

カシオペアの車内設備

では、「カシオペア」の車内設備についてみていこうと思います。「カシオペア」は先で述べたとおり、全ての部屋がA寝台2人用個室です。シングルでの利用も出来ましたが、「北斗星」と比べ割高でした。一時はシングルユースでの利用券も販売されていた時期はありましたが、比較的短い期間でした。

写真の1号車から順番に見ていこうと思います。なお、どの部屋にもトイレ・洗面台がついています。BS対応のモニターも全部屋についており、NHK-BS1・BSプレミアムの視聴と、GPSによる現在位置の情報を見ることができました。シャワー・クローゼットはカシオペアスイート・カシオペアデラックスについています。カシオペアツインのシャワーは6・10号車の共用シャワーを使用しました(シャワーカード320円の購入が必要)。

また、全部屋共通のサービスとして、朝には新聞の朝刊とモーニングコーヒー(部屋またはラウンジカーで提供)のサービスがありました。

1号車 カシオペアスイート(展望タイプ)

上の写真は1号車1番個室のカシオペアスイート(展望タイプ)です。車端部という関係上、カシオペアの中でも1室しかなく、最高額の部屋でもあるにも関わらず一番人気の個室で、寝台券の入手は困難を極めました。上野発では上野~青森、函館~札幌で最後部となり、流れ去る車窓を独占できる個室です札幌発の場合はこの区間は機関車の次の車両となるため、最後部となったのは青函トンネル区間(函館→青森)でした。ソファとベッドのリビングスペースとツインベッドがあり、写真後方にはクローゼットと専用のシャワールームがありました。その他のサービスとして、乗車後にウェルカムドリンク(ミニバーセット)とダイニング(食堂車)直結のインターフォンがありました。

1号車・2号車 カシオペアスイート(メゾネットタイプ)

もうひとつのカシオペアスイートがこのタイプ(メゾネットタイプ)となり、ドアを入ると階段があり、2階へ上がるとリビングスペース(1枚目の写真)で、階段を下りるとツインベッドが並ぶベッドスペース(2枚目の写真)がありました。「四季島」でもメゾネットタイプの個室がありますが、メゾネットタイプの個室の車両の元祖は、この「カシオペア」です。1号車・2号車に3室ずつありました。基本的なサービスは展望タイプのカシオペアスイートと同じですが、リビングスペースのソファーをベッドにして、3人での利用も可能でした。トイレ・シャワー・クローゼット・液晶モニター・ダイニングカー直結インターフォンは2階のリビングスペースの横に付いています。1階と2階の面積を足した場合は、1号車1番個室の展望スイートよりも広い個室となります。

2号車 カシオペアデラックス

2号車に1室のみあった2人用の個室です。同じ2号車にカシオペアスイート(メゾネットタイプ)が3室ありますが、スイートとは違い、平屋構造の個室となっています。上の写真を見ても分かるようにL字型にベッドが配置されており、ソファーをベッドにすれば3人での利用が可能となっています。写真の後側にシャワールーム・クローゼットがついており、他のサービスはカシオペアスイートに準じていました。こちらの部屋もスイート同様、人気の高い個室でした。

3号車 ダイニングカー

「カシオペア」の中での食堂車となります。この車両も2階建てとなっており、1階が厨房・機械室、2階が写真の様な食堂となっていました。2016年3月の運行終了直前の情報で書きますが、以下の時間での利用が出来ました。

ディナータイム・・・フランス料理のコース(8500円)か懐石御膳(6000円)のみで、事前(3日前まで)に予約券の購入が必要で、購入者のみがこの車両を利用できました。スイート・デラックスの利用者で、懐石御膳のみルームサービスにも対応していました。また、同じく事前予約は必要になりますが、カシオペアスペシャル弁当(3800円)もあり、こちらは全ての部屋でルームサービス対応が可能でした。

パブタイム・・・ディナータイム終了後、軽食類を提供する目的でビーフシチューやハンバーグ、おつまみ・デザート・アルコール類等提供されていました。概ね23時頃が営業終了の時間だったようです。

モーニングタイム・・・6時30分頃より開始され、全ての乗客が予約不要で利用できました(トワイライトエクスプレスの場合は、乗車日に車内で予約が必要でしたが、カシオペアの場合はそのような予約は不要でした)。和食と洋食(それぞれ1650円)が選べました。

また、ダイニングとしての営業だけでなく、1階では共用のシャワーのカードやシャワーセット、乗車記念グッズの販売も行われていました。

ダイニングでの食事・物販の決済両方ともに交通系ICカード(Suica等)での決済もできました。

4・5・6・7・8・9・10・11号車・・・カシオペアツイン

「カシオペア」の中で一番多いのがこのタイプの個室でした。2階室・1階室・平屋室の3タイプの個室があり、1枚目の屋根がカーブしているのが2階室・2枚目の写真が1階室でした。また、4~6号車に1室ずつ、7~11号車にそれぞれ2室ずつ平屋室がありました。ベッドはL字型に配置され、写真の様にテーブルの横側にモニターやトイレ・洗面台が設置されていました。

上の写真のように、平屋の個室のみ片側が2段ベッドとなっており、追加料金を支払うことにより3人での利用も可能でした。

ウェルカムドリンクはアルコール類も含まれたカシオペアスイートやデラックスと違い、ソフトドリンクのみで、シャワーも室内には設置されておらず、3号車のダイニングカーでシャワーのカードを購入し、6・10号車に設置された共用のシャワーの利用でした。

なお、上の写真がその部屋になりますが、4号車に1室のみバリアフリーに対応した平屋室の「カシオペアコンパート」が設置されており、車椅子の方とその付添者1名が利用できる個室がありました。この部屋は一般販売されておらず、該当者にのみ販売されていたようです。客室の扱いはカシオペアツインに準じていました。

12号車・・・ラウンジカー

1号車のカシオペアスイートとは反対側の車端部で、乗客であれば誰でも利用ができました。他の客室とは違い、2階のみの設置で1階は発電機等備えた機械室となっていました。下り(上野→札幌)では青森→函館のみ最後部となっていましたが、上り(札幌→上野)間では、函館→青森間を除き最後尾となるため、人気の高い車両でした。朝のモーニングコーヒーのサービスも、部屋かこのラウンジカーで受けることが出来ました。

ごくまれに点検でこの車両が連結されず、代わりに下の写真の電源車が連結されることもありました。この場合はラウンジカーの設備はない状態での運行となりました。

その他の設備として、以下のものがありました。

共用シャワー(ダイニングカーで320円のカードの購入で6分間使用可)・・・6号車・10号車

ミニロビー・・・・5号車・9号車

飲料の自動販売機・・・5号車・9号車・12号車

共用トイレ・・・2号車・7号車・11号車

なお、禁煙車と喫煙車は以下の様に分かれていました。

禁煙車・・・1・3・4・7・8・9・10・12号車

喫煙車・・・2・5・6・11号車

現在のカシオペア

北海道新幹線の開業に伴い、2016年3月で一般運行を終了した「カシオペア」ですが、他の寝台特急と比較し、製造が比較的新しいこと(製造後約19年)等から、「トワイライトエクスプレス」や「北斗星」等のように廃車・解体・博物館への展示等されず現在も走行しています。

現在では「カシオペアクルーズ号」として、一般での運行ではなくツアー商品として販売されています。2016(平成28)年~2017(平成29)年にかけて、一般運転の時と同様、JR東日本管内・JR北海道管内で運行されていましたが、「TRAIN SUITE四季島」の運行開始に合わせ北海道までの運行は2017年2月で終了し、今後は北海道には渡らずJR東日本管内での運行となります。一般運行されていた時よりは料金は高額となりますが(それでも「四季島」よりは安いですが)、今まで行けなかった日本海側や信州へ「カシオペア」で行くことができます。詳細は以下のリンクを参照して下さい↓

http://www.jre-cruisetrain.jp/(JR東日本・カシオペアクルーズHP)

豪華列車、「カシオペア」、一編成しかなく見る価値だけでもありますので、是非楽しんでみてください。

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